【この記事の執筆・監修者】
田中クリニック 院長
- 総合内科専門医
- 呼吸器専門医・指導医
- アレルギー専門医
生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症)と睡眠時無呼吸症候群(SAS)をはじめとする呼吸器・アレルギー疾患の重複病態を専門に診療。「内科で高血圧の薬を飲んでいるが改善しない」「日中の眠気やいびきが気になる」といった悩みに、専門医の立場からトータルアプローチを提供しています。東京都中野区・新宿区・杉並区エリア(東京メトロ東西線・JR中央線・都営大江戸線沿線)の患者様の健康管理を担当。
? クリニック公式Webサイト:https://tanaka-clinic.org/
導入:高血圧や糖尿病の治療をしているのに、数値が下がらないとお悩みではありませんか?
- 「毎日きちんと降圧薬(高血圧の薬)を飲んでいるのに、血圧がなかなか安定しない」
- 「食事療法や運動療法に気を配り、血糖降下薬も飲んでいるのに、HbA1cの値が下がりにくい」
- 「夜間に何度もトイレに起きてしまい、熟眠感がない」
- 「しっかり寝たつもりでも、日中に激しい眠気や怠さを感じる」
中野区・新宿区・杉並区周辺にお住まいの方や、東京メトロ東西線・JR中央線・都営地下鉄大江戸線を通勤・通学でご利用されている患者様から、このようなご相談をいただくことが多くあります。
生活習慣病の数値がなかなか改善しない場合、ご自身の努力不足や薬の効き目不足ではなく、背景に「睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)」が潜んでいる可能性が高く考えられます。
SASは単に「いびきが大きい」「日中眠くなる」だけの病気ではありません。睡眠中の低酸素状態と激しい交感神経の緊張を通じて、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病を急速に悪化させ、さらには心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる疾患を引き起こす大きなリスク因子となります。
この記事では、総合内科専門医・呼吸器専門医・アレルギー専門医の視点から、睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病が相互に悪化し合う医学的メカニズム、ご自身でできるセルフチェック、当院での検査・治療法について詳しく解説します。
第1章:なぜ「睡眠時の無呼吸」が全身の生活習慣病を悪化させるのか?
1. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の病態生理
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に上気道(鼻から喉にかけての空気の通り道)が狭くなったり完全に塞がったりすることで、10秒以上の無呼吸や低呼吸が何十回〜何百回と繰り返される病態です。
睡眠中に気道が塞がると、体内では非常に深刻な事態が発生します。本来であれば睡眠中は心身を休めるために「副交感神経」が優位になるはずですが、呼吸が止まるたびに体内が激しい酸素不足(低酸素血症)に陥り、脳は「窒息の危険」を察知して目覚め(微小覚醒)、「交感神経」を過剰に刺激・緊張させます。
2. 生活習慣病を引き起こす「3つの悪影響メカニズム」
SASが生活習慣病を引き起こし、悪化させる背景には主に以下の3つの生物学的反応が存在します。
① 間欠的低酸素(Intermittent Hypoxia)による「酸化ストレス」
呼吸が止まって酸素濃度が低下し、再開して酸素濃度が急上昇する現象を「間欠的低酸素」と呼びます。この急激な酸素変動は、体内で大量の「活性酸素」を発生させます。活性酸素は全身の血管内皮細胞を傷つけ、慢性的な血管炎症を誘発します。
② 交感神経の過剰な亢進
無呼吸が起きるたびに脳が危機を感じてアドレナリンやノドアドレナリンといったストレスホルモンを分泌し、交感神経が極度に興奮します。これにより、夜間にもかかわらず心拍数が急増し、血管が収縮して血圧が跳ね上がります。
③ 全身性の慢性炎症と代謝異常
低酸素ストレスと交感神経の緊張は、アディポネクチン(代謝を正常に保つ善玉ホルモン)の低下や、TNF-αやIL-6などの炎症性サイトカインの放出を促します。これが全身の代謝機能を狂わせ、糖代謝や脂質代謝の障害を引き起こします。
※SASのガイドラインや最新の疾患情報については、一般社団法人 日本睡眠学会 や 一般社団法人 日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群」 の公的情報もあわせてご参照ください。

第2章:SASが及ぼす主な生活習慣病・合併症リスク
睡眠時無呼吸症候群を放置した場合、各生活習慣病にどのような悪影響を及ぼすかを具体的にお伝えします。
1. 高血圧(特に「抵抗性高血圧」と「早朝高血圧」)
通常、健康な人の血圧は夜間睡眠中に日中よりも10〜20%ほど下がります(Dipper型)。しかし、SASの患者様では夜間の交感神経亢進と血管収縮により、夜間も血圧が下がらなかったり(Non-dipper型)、逆に夜間から早朝にかけて血圧が跳ね上がったりします(Riser型)。
この状態が続くと、降圧薬を3種類以上服用しても目標血圧まで下がらない「抵抗性高血圧」に陥りやすくなります。実際に、抵抗性高血圧の患者様の約50〜80%にSASが合併しているという臨床データが存在します。
2. 糖尿病(インスリン抵抗性の悪化)
SASによる低酸素状態と交感神経の緊張は、インスリン(血糖値を下げるホルモン)の働きを阻害するストレスホルモンの分泌を著しく増やします。これにより、膵臓からインスリンが分泌されていても細胞が反応しにくくなる「インスリン抵抗性」が引き起こされます。
その結果、空腹時血糖値や過去1〜2ヶ月の血糖状態を示す「HbA1c」コントロールが著しく悪化し、糖尿病の合併症(微小血管障害や腎臓病など)の進行を早めてしまいます。
3. 心血管疾患・脳卒中リスクの飛躍的増加
SASによる血管内皮機能障害と高血圧の持続は、全身の動脈硬化を急速に進行させます。
- 心筋梗塞・狭心症: 健常者と比較して発症リスクが約2〜3倍に高まります。
- 不整脈(心房細動など): 睡眠中の胸腔内圧の激しい変化と低酸素により、心臓に強い負担がかかり、致死的な不整脈を誘発しやすくなります。
- 脳卒中(脳梗塞・脳出血): 睡眠中の血圧スパイク(急上昇)により、脳血管が破裂または詰まるリスクが約3〜4倍に増加します。
※生活習慣病予防および循環器疾患リスクに関する詳細は、厚生労働省 e-ヘルスネット「睡眠時無呼吸症候群」 にて公的に解説されています。
【一覧比較】SAS放置リスクと治療による改善効果
| 疾患・症状 | SASを放置・未治療の場合のリスク | 当院でCPAP等の適切な治療を行った場合 |
| 高血圧 | 降圧薬が効きにくく、早朝血圧が急上昇する | 夜間・早朝血圧が低下し、処方薬の減量が期待できる |
| 糖尿病 | インスリン抵抗性が強まり、HbA1cが悪化する | インスリン抵抗性が改善し、血糖コントロールが安定する |
| 心不全・不整脈 | 心臓への過度な負担から心不全増悪・心房細動を誘発 | 心負荷が軽減し、心不全による再入院リスクが低下する |
| 脳卒中・心筋梗塞 | 血管内皮障害と動脈硬化進行により発症率が数倍化 | 血管への負担が抑えられ、血管事故の予防につながる |
| 日中の眠気・疲労 | 集中力低下、睡眠不足感、交通事故リスクの増大 | 熟眠感が得られ、日中のパフォーマンスやQOLが著しく向上 |
第3章:ご自身でチェック!SASの可能性を示す危険信号
「自分はいびきをかかないから大丈夫」「太っていないから関係ない」と思われている方も注意が必要です。日本人は欧米人に比べて顎(あご)が小さく奥まっている骨格的特徴があるため、太っていなくてもSASを発症するケースが非常に多く見られます。
以下のセルフチェックリストで、ご自身の状態を確認してみましょう。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)セルフチェックリスト
- [ ] 家族やパートナーから「いびきがうるさい」「睡眠中に息が止まっている」と言われる
- [ ] 夜間に何度もトイレ(排尿)で目が覚める
- [ ] 朝起きたときに、頭痛、口の猛烈な渇き、倦怠感がある
- [ ] 睡眠時間を確保しているのに、日中に激しい眠気やだるさを感じる
- [ ] デスクワーク中や車の運転中、会議中に強い眠気に襲われる
- [ ] 高血圧・糖尿病・脂質異常症で内科に通院しているが、数値がなかなか改善しない
- [ ] 最近、体重が増加してから血圧が高くなった、またはいびきが酷くなった
- [ ] アレルギー性鼻炎や慢性鼻炎があり、常に鼻が詰まっている
上記のうち2項目以上に該当する場合、または高血圧・糖尿病の治療中で数値が改善しない場合は、SASの検査を受けることを強く推奨いたします。
第4章:田中クリニックだからできる「呼吸器内科×総合内科」統合アプローチ
生活習慣病(高血圧・糖尿病)と呼吸器・アレルギー疾患(SAS・アレルギー性鼻炎・喘息)が複雑に絡み合う病態に対して、当院(田中クリニック)では専門性の高い統合診療を行っています。
1. 「一般内科」と「呼吸器内科」を別々に通うデメリットを解消
多くの患者様は、「高血圧や糖尿病は近所の一般内科」「いびきや呼吸の悩みは遠くの専門病院」というように別々の医療機関を受診されています。しかしこれでは、以下のようなデメリットが生じます。
- 処方薬の重複や相互作用の懸念: それぞれの主治医が全体像を把握しづらく、薬の最適化が難しくなる。
- 通院の身体的・経済的負担: 複数のクリニックを受診するため、待ち時間や通院コストが増大する。
- 病態の相互影響の見落とし: 「血圧が下がらない理由がSASにある」といった疾患同士の連携構造が見落とされやすい。
2. 専門医だから提供できる「一括統合診療」の強み
当院の院長は、総合内科専門医・呼吸器専門医(指導医)・アレルギー専門医の3つの専門資格を有しています。
- 総合内科専門医の視点: 高血圧・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症などの代謝・循環器疾患を全身管理します。
- 呼吸器専門医・指導医の視点: SASの精密診断、CPAP(持続陽圧呼吸)療法の適切な導入・設定・フォローアップを行います。
- アレルギー専門医の視点: SASの悪化因子となるアレルギー性鼻炎や鼻詰まり(上気道抵抗)を治療し、CPAPの装着感や通気を劇的に改善させます。
複数の病気を抱える難しい患者様ほど、当院の「一括トータルアプローチ」が真価を発揮します。
3. 当院での検査・治療の流れ
① 初診・スクリーニング検査(自宅)
睡眠時の酸素不足の状態を手軽に調べることができます。丁寧な問診の後、ご自宅で「終夜SpO2検査」を行います。
夜寝る際、指に小さなセンサーを装着するだけの痛みのない検査です。
② 簡易型アプノモニター検査(自宅)
市販のウェアラブルデバイスでは分からない正確なデータが得られます。ご自宅で指や鼻にセンサーを装着し、普段通り寝るだけで睡眠中の無呼吸や低酸素状態を調べる痛みのない検査です。
呼吸の状態や睡眠中の体位まで詳しく測定・解析できるため、身体に負担をかけずに正確な状態を把握できます。
③ 治療開始(CPAP療法・生活習慣指導)
重症度が基準を満たした場合、標準治療であるCPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)を導入します。睡眠中に鼻マスクから適度な圧力をかけた空気を送り込み、気道の閉塞を防ぐ治療法です。
あわせて、総合内科専門医の立場から食事療法、運動指導、生活習慣病の投薬調整(降圧薬や糖尿病薬の最適化)を同時に進めていきます。
※日本アレルギー学会および関係学会のガイドラインに基づき、アレルギー性鼻炎を併発している場合は鼻局所ステロイド点鼻薬や抗ヒスタミン薬を併用し、上気道通気性を確保します。(参照: 公益社団法人 日本アレルギー学会)
第5章:睡眠時無呼吸症候群(SAS)に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 太っていない(痩せ型)のですが、SASになる可能性はありますか?
A. はい、痩せ型の方でもSASを発症することは非常に多くあります。
特にアジア系の人種は、欧米人と比べて下顎(下あご)が小ぶりで奥に後退している骨格的特徴を持っています。そのため、肥満でなくても舌が喉の奥に落ち込みやすく、気道が塞がりやすい傾向があります。また、アレルギー性鼻炎による鼻詰まりがある場合も気道抵抗が高まり、痩せていても無呼吸を引き起こします。
Q2. CPAP(シーパップ)治療は一度始めたら一生続けなければいけませんか?
A. 必ずしも一生続けなければならないわけではありません。
肥満が原因でSASを発症している場合、CPAP治療によって睡眠と代謝を改善しながら適正体重まで減量することで、無呼吸の回数が減少してCPAPを離脱(卒業)できるケースがあります。また、マウスピース治療(スプリント療法)への切り替えが可能な場合もあります。
Q3. 検査やCPAP治療には健康保険が適用されますか?
A. はい、要件を満たせばすべて健康保険が適用されます。
簡易検査や精密検査で一定以上の無呼吸低呼吸指数(AHI:1時間に起きる無呼吸・低呼吸の回数)が認められた場合、CPAP治療は保険診療(3割負担の方で月額4,500円前後の自己負担)となります。定期的な診察とあわせて生活習慣病の処方も同時に行えるため、医療費の無駄も防げます。
Q4. 家族のいびきや無呼吸が心配ですが、本人が受診を拒がえります。どう説得すれば良いですか?
A. 「いびき」の指摘だけでなく、「血圧や健康診断の数値を良くするため」というアプローチが有効です。
本人は睡眠中の無呼吸に気づいていないことが多いため、「いびきがうるさい」と伝えるだけでは拒絶されることがあります。「高血圧の薬を減らせるかもしれない」「脳梗塞や心筋梗塞を予防するために一度内科で相談してみよう」と、全身の健康や将来のリスクに焦点を当ててお声がけいただくことをおすすめいたします。
まとめ:高血圧・糖尿病と睡眠のお悩みは田中クリニックへ
高血圧や糖尿病といった生活習慣病の数値がなかなか下がらない原因は、自己管理の不足ではなく、睡眠中に起きている「呼吸障害(SAS)」にあるかもしれません。
そのまま放置しておくと、知らず知らずのうちに血管がダメージを受け続け、心筋梗塞や脳卒中といった取り返しのつかない重篤な事態を招く恐れがあります。
- 降圧薬を飲んでいるのに血圧が下がりにくい
- 血糖値(HbA1c)のコントロールがうまくいかない
- 夜間の頻尿や、日中の強い眠気・だるさがある
- ご家族からいびきや呼吸の停止を指摘されたことがある
中野区・新宿区・杉並区周辺にお住まいの方、東京メトロ東西線・JR中央線・都営地下鉄大江戸線をご利用の方は、病態が複雑化する前にぜひ当院までご相談ください。総合内科・呼吸器・アレルギーの専門医が、あなたのお身体全体を診て最適な医療を提供いたします。

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当院では、総合内科専門医・呼吸器専門医(指導医)・アレルギー専門医の資格を持つ院長が、丁寧な問診と高度な検査体制を用いて、生活習慣病から呼吸器疾患までワンストップで診療いたします。
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