2月下旬を迎え、暖かい日が増えてくるとともに、スギ花粉の飛散がいよいよ本格化してきました。 当院の外来でも、花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)の症状を訴える患者様が急増しています。

特にこの時期に多いのが、 「ドラッグストアで買った市販薬を飲んでいるけれど、全然効かなくなってきた」 「薬を飲むと眠気が強くて、仕事や運転に支障が出る」 といったご相談です。

もし、あなたが今お使いの市販薬で十分な効果を感じられていないなら、それは「薬のタイプが合っていない」か、「症状に対して強さが足りていない」可能性があります。

今回は、内科・呼吸器内科・アレルギー科の視点から、医療機関で処方するお薬のメリットと、この時期に気をつけたい症状についてお話しします。

1. なぜ「市販薬」では効かないことがあるの?

市販薬(OTC医薬品)は、医師の診察なしで購入できる利便性がある一方で、多くの人が安全に使用できるよう成分量が調整されていたり、配合されている成分のタイプが限られていたりすることがあります。

一方、医療機関で処方する抗アレルギー薬には、非常に多くの種類(成分)があります。

  • 効果の強さ(マイルドなものから、強力なものまで)
  • 効果の持続時間
  • 副作用(眠気)の出やすさ

これらが薬によって異なるため、患者様一人ひとりの「体質」や「生活スタイル」に合わせて、ピンポイントで選択できるのが最大の強みです。

参考リンク(外部サイト):環境省|花粉情報サイト
※環境省が発表している今年の花粉飛散予測やマニュアルを確認できます。

2. 「あなたに合ったお薬」を見つけるオーダーメイド治療

当院のアレルギー科では、患者様のお話を詳しく伺った上で処方を決定します。

■ 「眠くなるのは困る」という方へ

「花粉症の薬=眠くなる」というイメージをお持ちの方も多いですが、近年開発された「第2世代抗ヒスタミン薬」の中には、眠気がほとんど出ず、自動車の運転や機械操作が許可されている薬剤も多数あります。 お仕事や受験勉強などでパフォーマンスを落としたくない方には、こうしたお薬を優先的に処方します。

■ 「とにかく鼻詰まりが辛い」という方へ

内服薬だけでなく、点鼻薬(ステロイド点鼻薬など)を併用することで、頑固な鼻詰まりが劇的に改善するケースがあります。直接患部に作用するため、全身への副作用が少ないのもメリットです。

■ 「目のかゆみで仕事にならない」という方へ

防腐剤の入っていない点眼薬や、コンタクトレンズの上からでも使用できる点眼薬など、目の症状に合わせた処方を行います。

3. 【呼吸器内科より】その「咳」、実は花粉が原因かもしれません

当院は呼吸器内科も専門としていますが、この時期に特に注意していただきたいのが「咳」です。

鼻水や目のかゆみだけでなく、「コンコンという乾いた咳が続く」「喉がイガイガする」という症状はありませんか? 花粉が喉の粘膜や気管支を刺激することで起こる「花粉誘発喘息」や「咳喘息」が悪化している可能性があります。

ただの風邪だと思って市販の風邪薬や咳止めを飲み続けても、アレルギー性の炎症(喘息など)がある場合はなかなか改善しません。 「花粉症の時期になると咳が出る」という方は、早めに呼吸器内科での聴診や検査を受けることをお勧めします。

参考リンク(外部サイト):厚生労働省・一般社団法人 日本アレルギー学会|アレルギーポータル
※アレルギー疾患に関する正しい情報が掲載されています。

4. 正しい原因を知るための「アレルギー検査」

「自分は花粉症だと思い込んでいるけれど、実はハウスダスト(ダニ)や寒暖差アレルギーだった」というケースも珍しくありません。 当院では、血液検査によってアレルギーの原因物質(アレルゲン)を特定することが可能です。

原因が特定できれば、より効果的な対策(除去・回避)が可能になりますし、来シーズンに向けて「舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)」という、体質改善を目指す治療法の検討もできるようになります。
※スギ花粉の舌下免疫療法は、花粉が飛んでいない時期(6月〜12月頃)に開始する必要があります。

■ 今辛い重症の方への「ゾレア皮下注」

既存の薬が効かない「重症・最重症」のスギ花粉症の方には、抗体医薬「ゾレア」という注射治療が選択肢に入ります。
この治療は、血液検査の結果(総IgE値と体重)に基づいて投与量と適応が決まるため、ご希望の方は必ず検査を受けていただく必要があります。

「今の薬ではどうしても辛い」「注射治療に興味がある」という方は、以下の詳細ページもあわせてご覧ください。「【重症花粉症】飲み薬が効かない方へ。注射治療ゾレアの効果・費用・保険適用条件を解説」)

まとめ:我慢せずに専門医にご相談ください

花粉症は、適切な治療を行えば症状をコントロールし、快適に過ごすことができる病気です。 「たかが花粉症」と我慢したり、合わない市販薬を使い続けたりせず、症状が辛くなる前にぜひご来院ください。

内科・呼吸器・アレルギーの専門医として、皆様がこの春を健やかに過ごせるようサポートいたします。

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