日々の診療の中で、喘息(ぜんそく)でお悩みの患者さんから、よくこんなお声をいただきます。

「最近は咳も出ないし、発作もないから、もう通院しなくてもいいですよね?」
「他院で薬をもらって飲んでいるけれど、あまり効いている気がしない…」

喘息の症状が落ち着いてくると、通院をやめたくなるのは当然のことです。また、長引く治療に対して「本当にこの薬で合っているのか?」と不安を感じる方も少なくありません。

しかし、喘息治療において最も大切なのは「症状がない時の治療の継続」と「ご自身の状態に合った薬の選択」なのです。

このページでは、呼吸器を専門とする医師の視点から、なぜ状態が安定していても喘息の治療を継続しなければならないのか、そして、現在受けている治療に不安がある場合の対処法について詳しく解説します。


なぜ、途中で喘息の治療をお休みしたくなるのでしょうか?

私たち医師も、患者さんが治療をやめたくなるお気持ちはとてもよくわかります。理由としては、以下のようなものが多いのではないでしょうか。

  • 症状がなくなったから、治った(完治した)と感じる
  • 仕事や家事が忙しく、定期的に通院する時間がない
  • 毎月のお薬代や診察代の経済的負担が気になる
  • ステロイド吸入薬を長く使い続けることへの不安がある

症状がないのに薬を使い続けるのは、誰でも抵抗があるものです。「やめたくなるのは特別なことではなく、よくある感情なのだ」とまずは安心してください。


「咳がひどい時、発作の時だけ治療すればいい」は大きな誤解です

多くの方が「喘息=発作(ゼーゼー、ヒューヒュー、激しい咳)」と考えています。しかし、発作はあくまで氷山の一角に過ぎません。

喘息の本当の姿は、「気道(空気の通り道)の慢性的な炎症」です。

発作が起きていない、つまり咳や息苦しさがない時でも、気道の中は火傷のように赤く腫れ、少しの刺激に過敏な状態が続いています。例えるなら、炎は見えないけれど、床下でボヤがくすぶっている状態です。ここで治療をやめてしまうと、少しの刺激(風邪、ホコリ、ストレス、寒暖差など)で再び大きな火事(発作)が起きてしまいます。

だからこそ、ボヤを完全に鎮火させ、火事の起きにくい丈夫な気道を作るために、症状がない時こそ「毎日のコントロール薬(吸入ステロイドなど)」による予防が必要なのです。


途中で治療をやめると、どうして良くないの?

では、自己判断で治療を中断し、炎症を放置してしまうとどうなるのでしょうか。

  1. 発作の再発リスクが高まる
    コントロール薬をやめると、数週間から数ヶ月で再び気道の炎症が悪化し、発作が起きやすくなります。
  2. 気道が硬く、狭くなってしまう(リモデリング)
    炎症と修復を繰り返すうちに、気道の壁が分厚く、硬くなってしまいます。これを「気道のリモデリング」と呼びます。一度こうなってしまうと、元の柔らかい気道には戻らず、将来的に呼吸機能が低下し、治療が効きにくい重症の喘息になってしまう恐れがあります。

「今は大丈夫」でも、「5年後、10年後の健やかな呼吸」を守るために、今の治療があるとお考えください。

医師が吸入器をもって治療についての説明を患者さんにしている

「昔喘息だったけど、今は元気」という方は通院しなくていい?

「子供の頃に小児喘息だったけれど、大人になってからは全く症状がない」という方もいらっしゃるでしょう。何年も症状がなく、肺機能の検査でも異常がない「寛解(かんかい)」を迎えている場合は、定期的な通院や服薬が必要ないケースもあります。

ただし、喘息は大人になってから突然再発することがあります。

風邪をこじらせた時、強いストレスを感じた時、過労、喫煙などが引き金になり、何十年ぶりかに発作が起きるケースは決して珍しくありません。

「昔喘息だった」という方は、ご自身の気道がデリケートであることを心の片隅に留めておいてください。もし、「最近、風邪を引いた後に咳が長引く」「夜中や明け方に息苦しさを感じる」といったサインがあれば、我慢せずに早めに呼吸器専門医を受診することをおすすめします。


他院での治療に不安や不満がある方へ(セカンドオピニオンのご相談)

喘息の治療を続けている方の中で、以下のようなお悩みはありませんか?

  • 「他院で薬をもらって何となく飲んでいる(吸っている)けれど、効いている気がしない」
  • 「今の薬が自分の体に合っていないような気がする」
  • 「いつまでこの量の薬を続けなければいけないのか不安」

喘息の治療は、ただ漫然と同量の薬を出し続けるものではありません。症状がしっかりコントロールされていれば、専門医の判断のもとで薬の種類を変更したり、少しずつ減薬(ステップダウン)したりしていくことが可能です。

逆に、薬を使っているのに症状が良くならない場合は、薬の種類が合っていない、吸入薬の吸い方が上手くできていない、あるいは喘息以外の病気が隠れている可能性もあります。

田中クリニックでは、呼吸器専門医ならではの知見を活かし、患者さんお一人おひとりの現在の状態やライフスタイル、ご希望を丁寧にヒアリングします。その上で、「ただ薬を処方する」のではなく、あなたにとって最適な治療への見直し(ステップアップ・ステップダウン)をご提案いたします。

他院での治療方針に疑問がある場合や、セカンドオピニオンをご希望の場合も、どうぞお気軽にご相談ください。


「呼吸器内科」と「呼吸器専門医」の違い

「呼吸器内科」を標榜しているクリニックは数多くありますが、日本呼吸器学会が認定する「呼吸器専門医」が常駐し、専門的な治療を提供できるかどうかは施設によって異なります。

あなたの貴重な時間と健康を守るため、喘息や長引く咳でお悩みの場合は、呼吸器の専門知識を持つ医師に、なるべく早くご相談いただくことをおすすめします。

当院が選ばれる理由

当院は、日本呼吸器学会認定の「呼吸器専門医」が診療を担当しております。専門医ならではの視点で、以下のような診断・治療をおこないます。

  • 長引く咳の精密検査
  • ぜんそくやCOPDの専門的な管理
  • 丁寧な問診と最新の検査機器による正確な診断
  • 専門的な知識を要する薬の処方・見直し

まずは、ご来院ください

「自分は大丈夫」「いつものことだから」と決めつけず、少しでも気になる症状があれば、まずは田中クリニックへご来院ください。

田中クリニックは、駅からも近く通院に便利な、わかりやすい商店街沿いにあります。
あなたの健康的な呼吸と快適な生活を、私たちが全力でサポートいたします。
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